2021/2 今どき健康ドリル
新型コロナウイルス感染症は、2回目の緊急事態宣言が出されて2カ月近くたっても、なかなか終息の気配が見えません。
そんななか、米国の製薬会社ファイザーが開発した新型コロナウイルスのワクチンが、2021年2月14日、日本で承認されました。早速、医療従事者を対象にワクチン接種が始まっています。
今月は、
新型コロナウイルス感染症ドリル3問です。
今月の設問①
新型コロナウイルスに感染した人が、他の人に感染させてしまう可能性があるのは、その人に何らかの症状が続いている期間である。
× 感染させる可能性があるのは発症の2日前から発症後7~10日間程度
新型コロナウイルスに感染した人が他の人に感染させてしまう可能性があるのは、発症の2日前から発症後7~10日間程度とされています。
※この期間のうち、発症の直前・直後で特にウイルス排出量が高くなると考えられています。
濃厚接触者を特定する際に、発症日から7日前までさかのぼって行動を丁寧に確認するのはそのためです。
※ マスクをすることによって、感染者と接する人のウイルス吸入量が減少することがわかっています。(布マスク・不織布マスクを話し手だけが着用した場合は70%以上減少。聞き手だけが着用した場合は、布マスクで17%、不織布マスクで47%減少。双方が着用すると、布マスクで70%、不織布マスクで75%減少)
資料)https://corona.go.jp/proposal/pdf/mask_kouka_20201215.pdf
今月の設問②
感染の広がり、対策の効果を判断するめやすは、その日の新規感染者数である。
× 感染症対策の効果を判断する指標は、実効再生産数です。
実効再生産数は、感染症が流行している集団の特定の時点において、一人の感染者から平均してどれだけの数の人に病気が感染しているかを示す実数値です。すでに感染症の流行に対して、人々の接触機会を減らすなどの対策が講じられたり、ワクチン接種などにより免疫が形成されたりしていれば、実効再生産数は減らすことができます。
一人が一人に感染させた場合の実効再生産数は1、二人に感染させた場合は2となり、感染が拡大していくときは、実効再生産数が1より大きくなります。
新規患者が減少に転じると実効再生産数は 1 を下回り、流行は収束に向かいます。(2021 2月26日時点の東京の実効再生産数は、0.81)
資料)https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
今月の設問③
ワクチンの有効性 90%というのは「90%の人には有効で、10%の人には効かない」という意味ではない。
〇 ワクチンを接種したグループの発症リスクは、 接種しないグループより90%低いということ
ワクチンの有効性は、ワクチンの接種グループと非接種グループの発症率を比較して確認します。有効性90%というのは、「接種しなかったグループよりも接種したグループのほうが 、発症率が90%低かった」という意味です。つまり、ワクチンを接種することによって、発症リスクを10 分の 1 に減らせるということになります。
資料
□新型コロナワクチン予防接種についての説明書 ファイザー社製
https://www.mhlw.go.jp/content/000739391.pdf
新型コロナウイルス感染症の学習参考テキスト
□新型コロナウイルス感染症診療の手引き(4.1版)
https://www.mhlw.go.jp/content/000712473.pdf