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政府がコロナワクチンの供給確保。一方で副作用の懸念も

新型コロナウイルス感染症対策の切り札として、世界中の研究機関がワクチン開発にしのぎを削っていることは、7月24日のニュースで紹介したとおりです。それから1カ月、国際社会では、ワクチンの確保をめぐる争奪戦が過熱しています。

 

そんな中、日本政府は7月、米国の製薬大手ファイザー社がワクチン開発に成功した場合、日本国内向けに2021年6月までに6,000万人分の供給を受けることで合意しました。8月には、英国製薬大手のアストラゼネカ社とも1憶2,000万回分の供給を受けることで合意し、そのうち3,000万回分は2021年3月までに供給を受ける計画です。

 

ワクチン開発が成功し、日本国内で承認されても、ワクチンの量には限りがあるため、十分な量が確保できるまでは、医療従事者や重症化リスクの高い高齢者、持病のある人などに優先的に摂取することが検討されています。

 

ワクチンの供給確保や、国内での研究開発の話題を耳にすると、期待は高まるばかりです。しかし、順調に開発が進んだとしても、どれだけの効果があるかは、今のところわかっていません。専門家の中には、コロナはワクチンが作りにくい厄介なウイルスだと指摘し、ワクチン開発を急ぐべきではないという声もあります。

 

新型コロナウイルスに近いSARSでは、ワクチンの動物実験で悪玉抗体が作られ、ワクチン開発にストップがかかりました。通常、ワクチンを接種すると体内に抗体が作られ、ウイルスの感染を防ぎます。しかし、悪玉抗体が作られると、体内に侵入してきたウイルスと結びつき、かえって症状を悪化させてしまいます。専門家の間では、こうした事態が懸念されているのです。

 

こうした副作用を防ぐためには、慎重に手順を踏んだ試験が必要です。動物実験、少人数の接種、数千人~1万人規模の接種というように、段階を踏んで効果と安全性を確認することが不可欠なのです。開発を急ぐあまり、こうした手順を踏まずに接種するのでは、人体実験をするのと同じです。

 

ワクチンは、効いたらもうけものだというように、イチかバチかで接種するものではありません。健康な人が接種するものですから、何よりも高い安全性が求められます。

こうしたことから、効果が高く安全なワクチンが開発され、実用化されるまでには、少なくとも今後1~2年の時間は必要だと考えられています。

 

 

 

※新しい生活様式のための学習

2020-2021年 今年のインフルエンザワクチンについて

 

加藤厚生労働相は25日の閣議後会見で、今冬のインフルエンザワクチンの供給量が昨季より7%多い約3178万本になる見込みと発表されました。この量は、最大約6356万人分となる量です。

新型コロナウイルスと季節性インフルエンザが同時流行する可能性もあり、接種希望者は増えることが見込まれています。

インフルエンザワクチンについては、高齢者・基礎疾患のある方・子供・医療従事者など、接種を強く推奨されている人がいます。

今後それらの優先度などについても検討されていく模様です。

接種開始は例年通り10月1日を予定されています。

クリニックなどでは9月より、予約を取り始めている医療機関もあります。

※インフルエンザのワクチンを接種して抗体ができるまでは2週間ほどかかります。一度できた抗体による免疫の持続期間は5か月ほどです。