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抗原検査でも確定診断が可能に

これまで、新型コロナウイルス感染症の抗原検査で陰性と出た場合は、PCR検査を併用することが必要でした(5月25日掲載のニュース参照)。ところが、このほど厚生労働省は、「発症2~9日目では、抗原検査を陰性の判定にも使用でき、PCR検査の併用を必要としない」との方針を決定しました。確定診断に抗原検査を用いることができるようになったのです。

 

そもそも、抗原検査は、判定にPCR検査よりも多くのウイルス量が必要なため、検査結果の信頼度が高くないと見られていました。その後の研究で、発症2~9日目ではウイルス量が多く、PCR検査と抗原検査の結果がほぼ一致することがわかりました。そのため、今回のような方針が示されたのです。

 

「発症2~9日目」と条件がつけられていることからもわかるように、発症1日目や発症後10日目以降では、これまで同様、確定診断にPCR検査が必要です。また、抗原検査で陰性と判定されても、臨床経過を見て感染が疑われる場合は、医師の判断でPCR検査を行う必要があるとされています。さらに、無症状の人に対するスクリーニングに抗原検査を用いることも推奨されていません。あくまでも症状のある人、発症2~9日目の人に限定されています。

 

とはいえ、こうして確定診断の方法が増えたことは、新型コロナウイルス感染症対策にとって朗報といえるでしょう。我が国では感染者数、死者数ともに、諸外国と比べると低く抑えられ、一見すると、感染の終息に向かっているように見えますが、いつ第二波、第三波が襲来するか予測することはできません。そのときに備えて、ワクチンや検査、治療法の開発は必要不可欠です。

 

第二波、第三波に備えて、日本も含めて世界中の多くの研究機関がワクチンの開発を進めています。しかし、ワクチン開発には年単位の時間が必要とされ、現在世界中で進行している感染拡大を抑えることはできませんし、我が国で今年の秋、冬に予想される第二波、第三波には間に合いません。その意味では、検査態勢をいっそう整備して、感染している人としていない人を分けるのが、感染を封じ込める最も現実的な方法といえそうです。感染予防に有効なワクチンが開発されるまでは、この厄介なウイルスとあの手この手で付き合っていくしかないのです。

 

◆SARS-CoV-2 抗原検出用キットの活用に関するガイドライン

https://www.mhlw.go.jp/content/000640554.pdf

新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html