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お知らせ

新しい年は健康情報の再確認から ―新型コロナウイルスについて―

~正しい情報を確認し、有効な対策を~

 

◆いま起きていること

2019 年 12 月に中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる感染症は COVID-19 と命名され、またたく間に中国からアジア、ヨーロッパ、そして北米へと全世界に拡大しました。

日本も例外ではなく、2020年11月には感染者数が急増し、第 3 波とされる流行が拡大しています。

2020年12月31日には、全国で4520人の新規感染者が確認されました。東京では1337人、予想より早く1000人を超えて感染の急拡大を続けています。

いま一度、新型コロナウイルス感染症について、現在までにわかっていることを確認し、対策につなげましょう。

 

◆新型コロナウイルス感染症とは

(1) 潜伏期間

潜伏期間は最長で 14 日、短い場合は2日と幅があります(中央値 5~6 日)。

※潜伏期間:病原体に感染してから初発症状が現れるまでの期間

 

(2) 感染経路

新型コロナウイルス感染症の感染経路としては、飛沫感染および接触感染が考えられています。そのため、マスクの着用や手洗いの励行などが基本的な感染予防対策として重要です。

さらに、マイクロ飛沫感染も時に発生すると考えられています。これは 5㎛未満の粒子がしばらくの間空気中を漂い、少し離れたところにいる人にまで感染が広がってしまうというものです。

 

(3) 感染性の変化

ウイルスなどが感染して感染症を起こす能力を持っていることを「感染性がある」といいます。病原性と言い換えてもよいでしょう。

新型コロナウイルスの感染性は、発症 2 日前から始まって発症直後に最大となり、発症後 8 日で急激に低下するとの報告があります。また PCR 検査が陽性であっても、発症後 7 日以降ではウイルスが陰性であるという報告もあります。これらの報告から、感染性は、発症後 1 週間程度でほぼ消失すると考えられます。

 

(4) 基本再生産数と実効再生産数

 

感染症の分野では、1人の感染者から生み出される二次感染者数の平均値を表す概念として、基本再生産数と実効再生産数という考え方があります。

 

基本再生産数は、誰も免疫を持っていない集団に新しい感染症が持ち込まれたとき、一人の感染者から平均してどれだけの数の人に病気が感染することになるかを示す推計値です。これは、ウイルスなどの病原体が持つ能力、言い換えれば感染性の大きさ、強さを示しており、流行拡大の指標になります。

 

実効再生産数は、感染症が流行している集団の特定の時点において、一人の感染者から平均してどれだけの数の人に病気が感染しているかを示す実数値です。すでに感染症の流行に対して、人々の接触機会を減らすなどの対策が講じられたり、ワクチン接種などにより免疫が形成されたりしていれば、実効再生産数は減らすことができます。

 

一人が一人に感染させた場合の実効再生産数は1、二人に感染させた場合は2となり、感染が拡大していくときは、実効再生産数が1より大きくなります。

新規患者が減少に転じると実効再生産数は 1 を下回り、流行は収束に向かいます。

2020年12月30日現在 日本の実効再生産数は、1.18です。

 

 

喋らない・触らない・お互いにマスクして、手は頻繁に洗って消毒する

 

◆感染予防の基本

(1) マスクの着用(ユニバーサルマスキング)

新型コロナウイルス感染症は、発症の 2 日前から発症直後にかけて感染性が最も高いことがわかっています。また、感染していても無症状の人が一定の割合で存在することも問題になっています。無症状のため感染に気づかず、知らず知らずのうちに感染を広げてしまっているのです。

無症状の感染者が、会話のときにマスクをしていなければ、ウイルスを含んだ飛沫を拡散させ、感染を広げてしまう恐れがあります。

公共の場では、ユニバーサルマスキング(またはユニバーサルマスク)といって、「症状がない人を含めたマスクの着用」が推奨されています。

 

(2) 手指衛生の励行

接触感染を防ぐためには、手洗いを基本とした手指の衛生が不可欠です。顔や目をむやみに手で触らないことも重要です。

手洗いの基本は、水道水と石けんを利用し、手指の表面に付着したウイルスを洗い流すことです。

水道水と石けんが利用できない場合は、アルコール消毒液(濃度60%~95%)を使用します。

 

(3) 「3つの密」の回避 目指すのは「ゼロ密」

1.密閉空間(換気の悪い密閉空間)を避ける

  対策:定期的に部屋の窓を開けて換気しましょう。

⽬安:1~2時間に1回,5~10分間程度

 

2.密集場所(多くの人が密集しているところ)を避ける

  対策:人の集まる場所へは、不要不急の外出はしないことです。

 

3.密接場面(互いに手をのばしたら届く距離での会話や発声)を避ける

  対策:ソーシャルディスタンスを確保しましょう。

目安:人との間隔は1メートル、時間は15分以内

 

参考資料)職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド 第4版 12月15日

一般社団法人 日本渡航医学会 公益社団法人 日本産業衛生学会

https://www.sanei.or.jp/images/contents/416/COVID-19guide1215koukai.pdf