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軽症のコロナ感染者にも後遺症が――。長引く恐れも

新型コロナウイルスの感染者が日本国内で5万人、全世界で2,000万人を超えた現在、このウイルスに感染した人の後遺症に関する報告も世界中で相次いでいます。

 

イタリア・ジェメッリ大学病院などの研究では、新型コロナウイルス感染症から回復して退院した患者143人を追跡調査した結果、回復から平均2カ月の段階で約90%の患者に何らかの症状があったといいます。

 

持続していた症状で最も多かったのは疲労感で53.1%、次いで呼吸困難43.4%。関節痛27.3%、胸痛21.7%となっています。このほか、せき、たん、嗅覚異常、味覚異常、食欲不振、頭痛、めまい、咽頭痛、筋肉痛、下痢などの症状も報告されています。

 

やはりイタリアで行われた研究では、初期症状として嗅覚異常、味覚異常のあった113人の軽症患者について4週間後まで追跡調査したところ、症状がなくなった人は49%にあたる55人でした。41%の46人は症状が軽くなったものの依然として続き、11%の12人は、症状が続いていたり悪化していたといいます。

 

英国マンチェスター大学の聴覚学の専門家は、退院後8週間が経過した121人を対象に、後遺症について調査しました。その結果、8人に聴力の悪化がみられ、別の8人には耳鳴りが起こっていたそうです。いずれも調査対象の6~7%ですが、新型コロナウイルスによって聴覚に問題が起こる恐れがあり、しかも症状は長期間続くことがあると指摘しています。

 

このほか、欧米の研究では、治療を受けて退院した後に、かなりの人が頭がモヤモヤする、集中できないといった症状を訴え、認知機能の低下、不眠症、うつ病などがみられたそうです。

 

こうした自覚症状とは別に、中国では、CT画像にさまざまな異常が認められた例も報告されています。退院した55人を調べたところ、退院後3カ月が経過した時点でも35人に新型コロナウイルス感染症に関連した症状が残っていたそうです。また、39人は胸部CT画像に異常が見られ、14人には肺機能の異常があったと報告されています。

 

これらの後遺症状は、新型コロナウイルス感染症の重症者だけにみられるわけではありません。中等症や軽症者にも発生しています。

日本国内では、軽症の若者が、PCR検査が陰性となった後も体調不良が続き、発症前の生活をなかなか取り戻せないなど、新型コロナウイルス感染症の後遺症と考えられるケースが報道されています。

 

わが国では、このところ20~30歳代の若年層を中心に感染者が急増しています。「若いから感染しても軽く済む」などと考えている人も少なくないようですが、それは危険です。

後遺症が長く続けば、身体的・精神的・経済的な苦痛を長期間味わうことになります。発症前の生活に戻るには、どれだけの時間を要するかわかりません。そうならないためには、何よりも感染しないための行動を心がけることが大切です。

 

 

※新しい生活様式のための学習

新型コロナウイルスを科学的に捉える視点の参考情報です

日本赤十字社のサイトなのでリンクは貼れませんが、読みやすい情報です。ご紹介させてください。

新型コロナウイルスの 3つの顔を知ろう! 日本赤十字社

http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/pdf/211841aef10ec4c3614a0f659d2f1e2037c5268c.pdf