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喫煙者は新型コロナウイルスの感染リスクが高い!?

全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症――治療法が定まらないまま、その勢力は爆発的に拡大し続けています。

確かな治療法は定まらないものの、感染しやすい経路や環境、重症化しやすい条件などは明らかになってきました。そこで、感染者との濃厚接触による感染を防ぐため、企業のテレワーク推進、小・中・高校の休校、イベントの自粛、レジャー施設の休園など、さまざまな取り組みが行われています。

 こうした中、日本禁煙学会から、「緊急にすべての喫煙所・喫煙室を閉鎖することが重要」との声明が出されました。喫煙所・喫煙室は、濃厚接触の場となり、新型コロナウイルス感染の温床となるおそれがあるというのです。

 そもそも濃厚接触とは、次の①または②と定義されています。

          (日本環境感染学会COVID-19感染症対応ガイドラインによる)

①新型コロナウイルス感染症患者の約2m以内で、長時間(数分以上)過ごす

②個人防護具を着用せずに、新型コロナウイルス感染症患者の分泌物や排泄物と直接接触する(咳をかけられる、素手で使用済みのティッシュに触れるなど)

 喫煙所・喫煙室は、①に当てはまります。マスクをせずに、2m以内の近い場所で、数分間過ごすわけですから、もし感染者がいた場合は、明らかに濃厚接触の状態になります。

 感染していても、咳や発熱などの症状が出ない人(不顕性感染)も少なくないといわれています。その意味で、人が集まる場所では、無自覚のまま感染させたり、感染したりするおそれがあります。ましてや、喫煙所・喫煙室のような閉鎖空間では、その危険性は高くなります。

 喫煙者の感染リスクは、それだけにとどまりません。新型コロナウイルス感染症のリスク要因として、高齢者、心疾患・肺疾患・がん・糖尿病が挙げられていますが、最近、これに喫煙も加えられようとしているのです。

「中国・武漢での新型コロナウイルス感染症患者のうち喫煙歴のある人は、死亡リスクも含めて悪化する確率は約14倍だった」とか、「喫煙は、新型コロナウイルスが侵入する受容体を著しく増加させる」「タバコ病と呼ばれるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は新型コロナウイルス感染症を重篤化させる因子だ」と指摘する論文が、世界各地の医学雑誌で次々と発表されています。

 喫煙は、新型コロナウイルスの感染リスクであると同時に、いったん感染すると重篤化しやすい危険因子だというわけです。これは、喫煙者本人だけでなく、望まない喫煙、つまり受動喫煙についても同様です。

 まだ、喫煙と新型コロナウイルス感染症との関係が断定されたわけではありませんが、ハイリスクらしいということは多くの専門家の指摘するところです。「禁煙することによって、新型コロナウイルス感染症による重篤な肺疾患のリスクを減らすことができる」と指摘するタバコ問題の研究者もいます。

 今はまさに、「タバコをやめて、新型コロナウイルス感染症のリスクを減らす。傷ついた呼吸器を修復する」チャンスかもしれません。

※厚労省 ℮-ヘルスネット

■禁煙外来とは

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/tobacco/yt-007.html